Thermaltake Versa H26 は簡易水冷に最適化されたミドルタワーケースです。本記事では「Versa H26 × AIO」の性能と導入時の注意点をまとめました。ポイントを押さえて、静かで強力な冷却環境を構築しましょう。
Thermaltake「versah26 」の性能

360 mmラジエーターをフロント/トップに搭載可能
- 高冷却容量
- 取付自由度
- OC向け性能
Versa H26 はフロントとトップの両方に360 mmラジエーターを装着できます。高TDP CPUでも温度を抑えやすく、取り付け位置を選べるのでレイアウトの自由度が高い点が魅力です。
上面は自然排気を活用でき、前面は吸気温を下げやすいです。GPUと干渉しない位置を優先し、ケース内温度を計測して最適な配置を決めましょう。
リアにも120 mmラジエーターを増設できる拡張性
背面120 mm部に小径ラジエーターを追加できるため、CPU+GPUのデュアルAIO構成も可能です。排気方向を統一し、ポンプ配線を裏面でまとめればメンテもしやすくなります。
一般的な120 mm AIOは140 W前後が目安です。GPUなら200 W級までは温度70 ℃台で運用できますが、ファン回転数の上昇に注意してください。
前面メッシュ+上面スリット構造で吸排気効率が高い
- 高静圧対応
- 直進気流
- 温度均一
フロント全面メッシュから冷気を取り込み、トップスリットから排気する一直線レイアウト。ラジエーター越しの気流が滞留せず、ケース全体の温度差を小さく保ちます。
月1回のブロー清掃が目安です。ほこりが多い環境では2週間に1度チェックし、気流低下を防ぎましょう。
310 mmまでの長尺GPUと併用しても干渉しにくい内部クリアランス
フロントに360 mmラジエーターを装着しても、全長310 mmまでのカードを保持可能。ハイエンドGPUでもエアフローを犠牲にせず強力な水冷システムを組めます。
重量が2 kgを超える大型カードはブラケット推奨です。PCIeスロットの歪みを防ぎ、ラジエーター交換時の取り回しも楽になります。
160 mmまでの空冷クーラー対応=厚型ラジエーターも視野
空冷クーラー160 mm対応という広いクリアランスを活かし、厚型ラジエーター+高速ファンの大流量冷却も選択肢に入ります。周辺パーツとの高さチェックを忘れずに。
フィン密度を上げずに熱交換面積を増やせるので、低回転ファンでも高い冷却性能と静音性を両立できます。
PSUシュラウド&裏配線でエアフローを阻害しない配線動線
電源シュラウドでケーブルを分離し、裏面27 mmの配線スペースにまとめることでラジエーター前後の空気流れを阻害しません。見た目もスッキリです。
結束バンドで束ねて奥行きを均一にすること。配線が膨らむとサイドパネルが閉まらず、ケースの共振原因になります。
Thermaltake Versa H26 TG

ミドルタワー—ATX対応、4 mm強化ガラス側面、前後計4基120 mmファン搭載、360 mm水冷ラジエーター対応、USB 3.0×2装備、拡張性◎、優秀!
Versa H26にAIOを組むときの注意点

トップ360 mmラジエーターは厚みに要注意
トップに360 mmラジエーターを置く場合、ラジエーター+ファン総厚が80 mmを超えるとVRMヒートシンクや高背メモリに干渉する恐れがあります。実測し、メモリ高さ40 mm以下・ヒートシンク低背モデルを選択すると安全です。
総厚75 mm以下なら大抵のATXマザーボードで干渉しません。ラジエーター55 mm+ファン25 mmがひとつの目安です。
フロントメッシュのダストフィルターを定期清掃
前面フィルターは細目メッシュで埃を捕らえますが、詰まると静圧が低下し冷却性能が一気に落ちます。2 週間〜1 か月ごとに取り外して水洗いまたはブロワー清掃し、乾燥後に再装着すると効果が持続します。
室内ペット有りなら2 週間に1回、一般的な環境なら月1回でOK。目視でフィルターが灰色に見えたら即清掃です。
長めのラジエーター固定ネジは“底付き”を確認
付属ネジ以外を使用するとネジ先端がフィンやチューブに接触して漏液する恐れがあります。ネジを手締め→最後に90°だけドライバーで増し締めし、ケース外側に突き出ていないか必ず確認してください。
ラジエーター厚+ファン厚+ケース板厚+3 mmが上限です。測定してからネジを選びましょう。
この記事のまとめ
- 360 mm AIOが前後面で選択可
- リア120 mmでデュアル水冷
- メッシュ設計で高エアフロー
- GPU310 mmでも干渉せず
- 厚型ラジエーターも搭載可
- 裏配線27 mmでスッキリ
- トップ総厚75 mm以下が安全
- フィルターは月1で清掃
Versa H26 は“冷やすため”の工夫が随所にあり、AIOでも空冷でも高いポテンシャルを発揮します。適切なネジ長と掃除習慣を守れば、長期にわたり静音高冷却の恩恵を受けられるでしょう。