簡易水冷クーラーの中でも静音に特化したモデルを選べば、高い冷却性能と快適な稼働音を両立できます。この記事では、簡易水冷静音タイプの選び方や設置時の注意点、そしておすすめ製品をご紹介します。
- 簡易水冷静音タイプの選び方
- おすすめの簡易水冷静音タイプ11選
- be quiet! Silent Loop 2 360 mm
- be quiet! Pure Loop 2 FX 360 mm
- Arctic Liquid Freezer III 360
- Phanteks Glacier One 240 T30
- Phanteks Glacier One 360 T30 Gen 2
- Corsair iCUE H100i Elite Capellix XT
- Corsair iCUE Link H150i RGB
- Cooler Master MasterLiquid 360 Atmos
- Cooler Master MasterLiquid PL360 Flux
- Fractal Design Lumen S36 RGB V2
- MSI MEG CoreLiquid S360
- 設置時の注意点
簡易水冷静音タイプの選び方

低速高静圧ファンを採用しているか

- 極力低回転運用推奨
- ファンは高静圧が有利
- 騒音源を最小化する
低速高静圧ファンは、低回転数でも十分な風量と圧力を確保しやすい点が魅力です。騒音を抑えつつCPUを効果的に冷やせるため、静音重視の自作環境には欠かせない要素と言えます。
ケース内温度が大きく上がらなければ、極力低回転でもかまいません。
ただし温度が許容範囲を超えるようなら、冷却効率を優先して回転数を調整しましょう。
ポンプの防振設計と騒音値

実際に40dB以下に抑えられるモデルもあります。
ポンプの防振設計は、内部にクッション素材や特殊な機構を取り入れ、振動による騒音を軽減するものです。負荷をかけたときでも唸り音を抑えられるため、静音性を保ちやすくなります。
すぐ故障するわけではありませんが、パーツの負荷は高まります。
可能なら防振効果があるポンプを選び、騒音だけでなく耐久性向上も狙いましょう。
厚み 38–45 mm クラスのラジエーター
- 適度な厚さで冷却効率アップ
- ファンとの干渉回避が重要
- ケース容量の確認必須
38–45 mm厚クラスのラジエーターは、無理なくファンを配置できるうえに冷却性能を高めやすいのが特徴です。ケース内部でエアフローを確保しやすいため、高負荷時にも安定した冷却効果が得られます。
一概に厚みだけで静音性が決まるわけではありません。
ファンの静圧特性や全体的な設計も関係しますので、トータルバランスで検討しましょう。
ファン+ポンプの独立PWM制御対応
ファンとポンプを別々にPWM制御できるモデルでは、アイドル時はファンを絞り、負荷時はポンプを上げるなど柔軟な調整が可能です。結果として静音性と冷却効率をバランスよく両立できます。
マザーボードによってはBIOSから細かく制御可能です。
ソフトウェア連携にも対応していれば、より細かい設定を反映しやすいでしょう。
静音プリセット/カーブ編集ができるソフトウェア
さらに手動でカーブを編集すれば、細かい調整ができますよ。
制御用ソフトウェアを活用すると、CPU温度に応じたファンやポンプの回転数を自動的に調節できます。極力静音に振りたいとき、あるいは性能優先時など目的に合わせて設定を切り替えやすい点がメリットです。
プリセットだけでも一定の静音化は期待できます。
より最適なカーブを探りたいなら、負荷テストを行って好みの制御に微調整しましょう。
長期保証+漏液補償の有無
もし万が一の漏液があった際、パーツが守られるメリットがありますよ。
簡易水冷クーラーでは、ポンプやチューブ部分など経年劣化のリスクがあります。万が一に備えた長期保証や漏液補償が付いていれば、トラブル時に対応しやすく安心して使用できるでしょう。
少なくとも3~5年の保証があると安心感が高まります。
製品によっては5年以上の長期保証に加え、漏液補償もセットになっている場合があります。
おすすめの簡易水冷静音タイプ11選
be quiet! Silent Loop 2 360 mm

be quiet! Pure Loop 2 FX 360 mm

Arctic Liquid Freezer III 360

Phanteks Glacier One 240 T30

Phanteks Glacier One 360 T30 Gen 2

Corsair iCUE H100i Elite Capellix XT

Corsair iCUE Link H150i RGB

Cooler Master MasterLiquid 360 Atmos

Cooler Master MasterLiquid PL360 Flux

Fractal Design Lumen S36 RGB V2

MSI MEG CoreLiquid S360

設置時の注意点

エア抜き優先でラジエーターを配置

ラジエーターをケースの上部などに設置し、気泡がたまりにくい角度を確保することが大切です。エア抜きが不十分だと、ポンプ内部で騒音が増加したり冷却性能が落ちたりする恐れがあります。水路を長くとり、上部に向けてホースを伸ばすと効率よくエアを抜ける場合が多いです。
一度取り付ければ毎回行う必要はありません。
ただし初回やメンテナンス時は気泡が残りやすいため、負荷テストなどで動作を確認しましょう。
防振ワッシャー・パッドを追加
ファンとラジエーターを固定する際、ゴム製の防振ワッシャーやパッドを挟むと騒音を軽減できます。小さな振動でも共鳴音が発生することがあるため、ケースに直接ネジを当てない工夫が大切です。部品の干渉やきしみを減らすことで、結果的に静音性と耐久性の両方を向上させられます。
防振パーツ自体の厚みはさほど大きくないため、冷却効率へ大きな影響はありません。
振動を吸収するぶん、むしろ長期的に安定したパフォーマンスが期待できます。
低速カーブは必ず温度テストで確認
静音を重視してファン回転数を下げすぎると、CPU温度が想定以上に上昇する可能性があります。そこでファンカーブを変更した後は必ず実際にベンチマークや長時間の負荷テストを行い、安全な温度範囲内かをチェックしましょう。適切な温度管理を行うことでパフォーマンスと静音性を両立できます。
少なくとも10分以上のベンチマークや高負荷テストを行うとよいでしょう。
長時間安定運用するなら、30分以上テストして温度の変動幅を確認するのがおすすめです。
記事のまとめ
- 低速でも風量確保できる高静圧ファンを選ぶ
- ポンプの振動対策で騒音とリスクを減らす
- ラジエーターの厚みとケースサイズを要確認
- 独立PWM制御で柔軟な騒音対策が可能
- 静音プリセットやカーブ編集ソフトが便利
- 長期保証と漏液補償で万が一に備える
- エア抜きがしやすい位置にラジエーターを配置
- 防振パッドや温度テストで安定した静音化を目指す
静音タイプの簡易水冷は、適切な設置方法や設定調整により快適性と冷却性能を両立しやすくなります。ケース内部の振動対策や温度管理をしっかり行い、自作PCライフをより充実させてみてください。