簡易水冷が冷えない原因としては、ポンプや冷却液の詰まりが大きく関わってきます。なぜこうした不調が起きるのか、対策をどうするのかを本記事で詳しく解説しますので、ぜひ最後までご覧ください。
簡易水冷が冷えなくなる主な理由


冷却不良を防ぐ3つのポイント

- ポンプ故障リスク
- 冷却液詰まりリスク
- シーリング不良点
簡易水冷は、ポンプで冷却液を循環させラジエターで熱を放散する仕組みです。しかしポンプが故障や不調を起こすと、循環が不十分になって冷却性能が大きく低下します。
また冷却液にスラッジが溜まるケースもあり、ラジエター内部で詰まってしまうと熱が逃げにくくなるのです。さらにシール部分の劣化による漏れも冷却液不足を招く要因といえます。こうしたトラブルを防ぐには、定期的なメンテナンスと早期の点検が重要です。
ポンプ回転数の見極め

ポンプが正常に動いているようでも、内部のインペラが回っていない場合があります。回転数がBIOSに表示されていても油断は禁物です。ファンが高速に回っているのにCPU温度が下がらないときは、ポンプ不調を疑ってください。
メーカー保証が残っていれば無償交換も可能です。内部の破損や摩耗が疑われるときは交換が確実です。交換後に冷却性能が回復するケースは多いです。
グリスや取り付け不備
グリスが古くなったり、塗布が偏っていると熱伝導率が落ちます。さらに水冷ヘッドの取り付けが緩いとCPUと隙間が生じ冷却しきれません。定期的な塗り替えと締め付け確認をするのが大切です。
半年から1年ごとにチェックして、乾いていたら塗り直しを検討しましょう。高負荷で使う場合は早めの交換がおすすめです。
詰まりや水漏れが原因の場合


ラジエター内部のスラッジ

- 循環力が低下
- 温度が下がらない
- 交換時期を見極め
冷却液の中で微細な錆や不純物が生じると、ラジエター内部でスラッジ詰まりを起こします。するとポンプが回っていても流量が減り、CPU温度が下がりにくくなります。
放っておくとますます冷却効率が落ちてしまうため、あきらかに温度が高いと感じたら寿命を疑ってみるとよいでしょう。3年程度で簡易水冷の交換を検討するケースもあります。
水漏れリスクへの対策
簡易水冷は冷却液が封入された密閉構造ですが、シール部分の劣化により液漏れを起こすことがあります。水漏れを発見したら即座に使用を中断し、交換や保証対応を検討してください。
パソコン本体がショートするおそれがあるので、まず電源を落としましょう。HDDやSSDは被害を受けにくい場合もありますが安全確保が最優先です。
部品のクリアランス確認
ケース内レイアウトによっては、ホースやコネクタが無理に曲がっていることがあります。狭いスペースで取り回すと、接続部に負荷がかかって冷却液が循環しづらくなるため注意しましょう。
基本はポンプ部が冷却水の最高部を避けるように配するのが推奨です。ホースの取り回しが余裕ある姿勢を保つと、気泡混入も起きにくくなります。
簡易水冷を正常に冷やすためのチェック方法


冷却不足を回避する3つのチェックポイント

- ポンプ音の確認
- ホース温度測定
- ファン回転制御
冷えが悪いと感じたときは、まずポンプの作動音を耳で聞き取ってみましょう。微かなモーター音がしない場合は回転していない可能性があります。またホース部分を触って温度差を感じられないときは液が循環していないサインです。ファン制御の設定を見直し、常に適正な回転数を確保できるようにすると安定しやすくなります。
BIOSでポンプの動作を確認
BIOSのハードウェアモニタ機能でポンプ回転数をチェックしてみましょう。数値が常に異常に低かったり、全く変化がない場合は要注意です。もちろん表示自体が正常でもインペラが空回りしているケースもあるので、温度変化もあわせて見守ってください。
高性能空冷ファンでも十分冷やせるCPUもあります。簡易水冷が頻繁に故障する場合は、空冷への変更も検討してみる価値があります。
メーカー保証を活用する
簡易水冷には、2~3年程度の保証がついている製品が多いです。冷えなくなるトラブルが保証期間内なら、メーカーサポートへ連絡し交換対応を受けられる場合があります。早めに相談するほどスムーズに進むでしょう。
購入履歴や通販サイトの納品書があれば代用できることがあります。まずはメーカーに問い合わせて状況を伝えてみるとよいです。
記事のまとめ

- ポンプの故障や回転異常をチェック
- 冷却液の循環が滞る原因を確認
- グリスや取り付け状態も点検
- ラジエターの詰まりや水漏れを見逃さない
- 保証期間内なら積極的にサポートを利用
- 必要に応じて空冷への移行も検討
簡易水冷の冷却不足は、ポンプやラジエターのトラブルが大半を占めます。放置するとCPUの高温状態が続きパフォーマンスが落ちるので、早期発見と対処が大切です。
定期的なメンテナンスや部品交換を行い、冷却効率を保って長く快適に使い続けましょう。